年末年始にかけてサイバー攻撃の被害に遭われた企業様から、WordPressのHTML化をするご依頼をいただきました。
近年深刻化するサイバー攻撃の対策として、思い切ってWordpressをHTML化してしまうのは、ひとつの強力な防御手段と考えられます。ここでは、WordPressサイトをHTML化するメリットと、その実施方法についてご紹介します。
WordPressはその柔軟性や拡張性の高さから、多くの企業に利用されています。しかし、頻繁に更新されるプラグインやテーマ、そしてオープンソースの特性が攻撃者にとって大きなターゲットとなります。特に、セキュリティホールが発見された場合、それを狙った攻撃が急増することがあります。
例えば、WordPressのプラグインの脆弱性や管理者アカウントのパスワードの弱さは、攻撃者が簡単に侵入する原因になります。さらに、攻撃を受けた際に不正なコードが挿入されると、SEOに影響を与えたり、個人情報が盗まれるリスクが高まります。
HTML化によるセキュリティ強化
HTML化は、WordPressの動的な部分を静的なHTMLファイルに変換することで、サイトを攻撃から守る方法です。WordPressサイトをHTML化することで、管理画面へのアクセスがなくなり、サーバー上でのコード実行が減少するため、サイバー攻撃に対して強固な防御を築くことができます。
- サーバー負担の軽減: 静的なHTMLファイルはサーバー負荷を軽減し、サイトのパフォーマンスが向上します。
- 攻撃リスクの低減: 静的HTMLにすることで、攻撃者が管理画面にアクセスすることができなくなり、不正アクセスのリスクが大幅に減少します。
- 簡単なメンテナンス: HTML化されたサイトは、プラグインのアップデートやテーマの変更を気にすることなく、安定した運用が可能です。
HTML化の実施方法
WordPressをHTML化する方法にはいくつかの選択肢がありますが、以下の方法が一般的です。
- WordPressサイトをバックアップする
まず最初に、現行のサイトの完全バックアップを取ってください。バックアップを取っておくことで、万が一のトラブル時に元の状態に戻すことができます。 - HTML化プラグインを使用する
WordPressにはサイトを静的なHTMLファイルとしてエクスポートするプラグインがあります。このツールを使って、WordPressサイトをHTMLに変換します。 - HTMLファイルのアップロード
HTML化されたファイルをウェブサーバーにアップロードし、WordPressの代わりに静的なHTMLサイトを運用します。
HTML化のデメリット
静的なHTMLにすることで、以下のようなデメリットも考慮する必要があります。
- 更新の手間:WordPressを使っていたときに比べて、コンテンツ更新が手間になります。新しい記事を追加したり、ページを変更したりするたびにHTMLを再生成し、アップロードする必要があります。
- SEOへの影響:動的なWordPressサイトに比べて、更新頻度が低くなる可能性があるため、SEO対策には注意が必要です。定期的にコンテンツを更新し、検索エンジンにインデックスされやすいように運用しましょう。
中小企業が取るべきサイバー攻撃対策
中小企業では、リソースが限られていることが多いため、すべてのセキュリティ対策を取るのは難しいかもしれません。しかし、最低限のセキュリティ対策を取ることは重要です。以下は中小企業向けにおすすめのセキュリティ対策です。
- 強力なパスワードの使用
管理者アカウントやFTPアカウントには、強力なパスワードを設定しましょう。また、可能であれば二段階認証を導入することをおすすめします。 - 定期的なバックアップ
サイトを定期的にバックアップし、万が一のトラブルに備えましょう。バックアップを自動化するプラグインを使うのも有効です。 - Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入
WAFを導入することで、不正アクセスやDDoS攻撃からサイトを守ることができます。
まとめ
中小企業のウェブサイトは、サイバー攻撃に対しても強力な防御策を講じることが必要です。WordPressをHTML化することは、その防御策の一つとして有効です。HTML化することで、サイバー攻撃のリスクを低減させるとともに、サイトのパフォーマンスやメンテナンス性も向上します。
サイバー攻撃は、今後ますます巧妙化していくと予想されます。中小企業の経営者は、早期にサイトのセキュリティを見直し、必要な対策を講じることが重要です。