WACC(加重平均資本コスト)は、企業が資金調達のために利用している異なる資本源(株式や借入金など)に対するコストを加重平均したものです。企業の投資判断や評価に役立つ指標です。
要点
- WACC は企業が資金を調達するためにかかる総コストを表します。これには、株主へのリターン要求や、借入金に対する利子などが含まれます。
- 資本構成のバランスに応じて、株式(自己資本)と負債(他人資本)のコストが加重されて計算されます。
- WACCが高いと、資金調達コストが高いことを意味し、企業の投資プロジェクトや新規事業の評価にも影響を与えます。
事例
例えば、ある企業が新しい工場に投資を検討している場合、WACCを使ってその投資が「投資家が期待するリターン」を上回るかどうかを評価します。もしWACCが10%であれば、その投資のリターンが10%以上でなければ、資本コストを上回らないため投資が魅力的ではないと判断されるかもしれません。
目安
- WACCが低いほど、企業の資金調達が効率的であると考えられます。
- 投資家は、WACCを下回るリターンを求めることが多いので、企業にとってはWACCを意識して、資本コストを低く抑える戦略が求められます。
要するに、WACCは企業がどれだけ効率的に資金を調達し、投資家に対してリターンを提供しているかを示す指標です。