アイデアに困った時、アイデアの精度を高めたい時、アイデアを量産したい時に、フレームーワークがあると便利です。
本記事では、アイデアの発想法として最も有名なフレームワークのひとつである「オズボーンのチェックリスト」を事例付きでご紹介します。
オズボーンのチェックリストとは?
オズボーンのチェックリストは、下記のような9つの切り口から物事を多面的に捉えることでアイデアを発想していく手法です。ただ、これら羅列を見たただけでは、イメージが広がりにくいと思いますので、ひとつひとつ事例を交えながらご紹介します。
- 転用(Put to other uses)
- 応用(Adapt)
- 変更(Modify)
- 拡大(Magnify)
- 縮小(Minify)
- 代用(Substitute)
- 置換(Rearrange)
- 逆転(Reverse)
- 結合(Combine)
1、「転用」の考え方・事例
転用とは、新しい使い道や改善・改良ができないかという切り口です。
すでにあるものの新しい用途を提案したり、技術性能を高めたり、欠点を改良することで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方で発想を広げていきます。
転用 → 用途や技術の新しい使い道を考えてみよう!
事例 廃坑を美術館に転用(別の用途に転用)
事例 欧米人向けにアレンジした和食(ターゲットに合わせて改良)
2、「応用」の考え方・事例
応用とは、他に似たものがないか、という切り口です。
すでにあるものの機能や価値や体験の型を適応させることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
応用 → 別の機能や体験の型をあてはめてみよう!
事例 そばつゆの自販機(自販機の機能を別の商品に応用)
3、「変更」の考え方・事例
変更とは、すでにあるものを変えてみたらどうか、という切り口です。
具体的には、機能や動きやデザインに変更を加えることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
変更 → 機能や動きやデザインを変えてみよう!
事例 女性向けの表紙に変更したビジネス書(デザインを変更)
松下幸之助のロングセラービジネス書「道をひらく」は、女性でも手に取りやすいよう花柄の表紙が用意されている。
4、「拡大」の考え方・事例
拡大とは、大きくできないか、という切り口です。
すでにあるもののサイズ(高さ・長さ・厚み)や量、強度、時間、頻度を大きくすることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
拡大 → サイズや量、度合いを大きくしてみよう!
事例 強炭酸のサイダー(強度を拡大)
事例 激辛ラーメン(強度を拡大)
事例 文字を大きくした、年配の方にも読みやすい本(サイズを拡大)
5、「縮小」の考え方・事例
縮小とは、小さくできないか、という切り口です。
すでにあるものサイズ(高さ・長さ・厚み)や量、強度、時間、頻度を小さくすることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
縮小 → サイズや量、度合いを小さくしてみよう!
事例 低いアルコール度数のお酒(強度を縮小)
事例 小さく持ち運びしやすい旅行ガイドブック(サイズを縮小)
6、「代用」の考え方・事例
他のものに代用できないか、という切り口です。
すでにあるものの機能や材質などを他のもので代用したり、別のアプローチを試みることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
代用 → 機能や材質を他のもので代用してみよう!
事例 トラックの幌を使った丈夫なカバン(材質)
7、「置換」の考え方・事例
置換とは、入れ替えてみてはどうか、という切り口です。
すでにあるものの要素や順序やレイアウトを入れ替えることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
置換 → 要素や順序を変えてみよう!
事例 店舗のレイアウト変更で顧客導線の活性化(レイアウト)
8、「逆転」の考え方・事例
逆転とは、上下左右前後といった方向や、裏表、役割などを反対にできないか、という切り口です。
すでにあるものの機能やプロセスを逆にすることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
逆転 → 役割や機能を逆にしてみよう!
事例 食べるスープ(機能)、にぎらないおにぎり(プロセス)
9、「組み合わせ」の考え方・事例
組み合わせとは、合体したり、混ぜ合わせたりすることはできないか、という切り口です。
すでにあるものの目的や機能を組み合わせることで、新しい付加価値を生み出そうとする考え方です。
組み合わせ → すでに存在する製品の機能を組み合わせてみよう!
事例 スマホのスタイラス付きボールペン(機能)、バーコードで読書記録(目的)
以上が、オズボーンのチェックリストの解説、事例となります。いかがでしたでしょうか。フレームワークを活用すると、効率的に思考を整理することができたり、新たな発想に気付けたりと、より柔軟に発想の幅を広げることができます。アイデアを出す際のヒントとなれば幸いです。